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協会活動助成授賞報告

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2019.02.28

平成21(2009)年度受賞者および受賞理由

(社)日本小児保健協会
協会活動担当理事 大西 文子

平成15(2003)年度より小児保健協会活動の一環として設けられた研究助成、実践活動助成について、各選考委員会の審議を経て決定しましたので報告致します。

 

【研究助成】

平成21(2009)年度選考委員会(委員長 田中義人氏)において、第55回日本小児保健学会(平成19年)の一般演題の中から、座長推薦を受けた15題について慎重に審議した結果、代表 本郷 実 氏に決定しました。

 

【実践活動助成】

平成21(2009)年7月28日に選考委員会(委員長 加藤達夫氏)が開催され、各支部団体より応募のあった8団体の活動内容について審議した結果、関 秀俊 氏、中川 恒夫 氏に決定しました。

 

*なお、これらについては、理事会で承認され、第55回日本小児保健学会総会(北海道札幌市:平成20年9月26日(金))にて授賞式を行いました。

第6回 研究助成(1篇)

演題名(第55回日本小児保健学会 一般演題/平成19年)

「中学生の生活習慣病調査研究と社会的取り組み」

受賞者

本郷 実 氏(信州大学医学部保健学科)
日高 宏哉 氏(信州大学医学部保健学科)
坂口 しげ子 氏(信州大学医学部保健学科)
鶴田 悟郎 氏(信州大学医学部小児科)

小池 健一 氏(信州大学医学部小児科)

 

授賞理由:上記研究グループは、長野県内で平成4(1992)~平成14(2002)に2-~40歳で虚血性心疾患を発症した若年患者について発症と生活習慣病、生活背景などとの関連を解析した、50歳以上の中高年患者に比較して若年発症の最も重要な因子は肥満、特に小児期肥満で日常運動習慣の欠如や食生活との関連が強く示唆された結果に基づいて、青少年の健康教育プログラムを構築する目的で、2005年4月信州大学医学部に医師、保健師、看護師、検査技師、管理栄養士などのチームによって、「青少年のメタボリックシンドロームを考える」研究会を発足している。今回の研究発表は、中学生の生活習慣・生活習慣病の実態および生活習慣改善・生活習慣病予防に関するものである。これらの研究結果によって、約1/3の生徒が生活習慣病や鉄欠乏性貧血があり、不規則な食事や運動習慣の欠如がある、生活習慣関連の測定検査の3項目以上異常値を示した6.3%の生徒のうち「肥満」と診断されたものは71%、血清HDLコレステロール低値を示すまたは高尿酸血症を示す男子生徒は他の生活習慣病を高率に 合併することが明らかとなった。これらの結果に基づき、社会的取り組みとして、学術講演会開催、フェスティバルで医療チームによる家族(親子)の生活習慣病調査・個別の結果説明・食事・生活指導の実施、中学校への出前クリニックの実施などを行っている。上記グループ自身の社会的取り組みの成果から、 行政の強力な支援を基盤にした家族・社会に対する継続的な啓発活動が重要であることを提言している。健全な子どもの育成に関して国および行政はじめ地域における小児保健対策への需要を明らかにしている。また、保健・医療・看護(教育)・福祉の異職種間の連携の重要性を明らかにしており、小児保健の充実や水準向上および「健やか親子21」の課題に即している。

(文責:田中義人)

第7回 実践活動助成(2活動)

選考基準より、点数化した結果より甲乙付けがたいということから、2活動が推薦され、承認されました。

活動名・代表者

○「NPO法人 子どもの虐待防止ネットワーク石川(CAPNET石川)」

関 秀俊 氏(金沢医学部保健学科)

 

○「愛知県内の遊園地、公園等の脱タバコ対策に関する継続調査」

中川 恒夫 氏(子どもをタバコから守る会・愛知 世話人代表)

 

授賞理由:

「NPO法人 子どもの虐待防止ネットワーク石川」は、育児困難や虐待に悩む親を支援することを通して、子どもの虐待の発生または重症化を防止することを目的に、2001年4月から、小児科医・精神科医・看護師・助産師・臨床心理士、弁護士、元教員等で構成された運営会議や相談員の組織があり、活動を展開されている。具体的には、虐待防止に関する講演会・研修会・講習会の開催、週2回の電話相談、母と子の関係を考える会(ハーブの会)、出前ほっとミーティング等の活動がある。これらは、地域における小児保健活動として、子育て支援や虐待防止に貢献している。

 

「愛知県内の遊園地、公園等の脱タバコ対策に関する継続調査」は、子どもが頻繁に出入りする遊園地や公園等は、受動喫煙防止の実施状況は低い背景から、脱タバコ対策への意識を高めることを目的に、2007年と2008年の2回調査した。その結果について点数化した結果をその都度それぞれ報告し、愛知県内の遊園地、公園等の脱タバコ対策の変化をみるとともに要望書を作成し改善を求めた。全体的にやや改善されたものの、施設間の差異が大きかった。この調査と改善を求める要望書は今後も継続する予定である。愛知県内では、多職種によって、子どもをタバコから守る会を立ち上げ、予算の限られる中、脱タバコ対策を検討し、地道な調査研究のもと、該当機関に対し報告・要望書を提出し脱タバコ対策の啓発活動を行っており、本賞にふさわしい。

(文責:加藤達夫、委員長代行:長嶋正實)

平成21年度 協会活動助成選考委員会

協会活動担当幹事:近藤 洋子、堀田 法子、鎌田 博司

 

○ 研究助成選考委員会
委員長:田中 義人
副委員長:大西 文子
委 員:奈良間 美保、城 宏輔、濱中 喜代、谷村 雅子、鎌田 尚子

 

○ 実践活動選考委員会
委員長:加藤 達夫
副委員長:大西 文子
委員長代行:長嶋 正實
委 員:倉橋 俊至、梶山 祥子、三木 とみ子

実践活動助成賞選考に関する、選考委員会からの意見

1.各支部活動からの推薦が減少している中、助成対象を、現在の1対象から2活動以上変更することについて提案。

助成対象を増やす場合の推薦条件として、活動予算から助成を受けたい活動または予算案等の提出を求め、受賞後はその報告書を要することとする等で整理することで、推薦(応募)を促進できないか。

 

2.現在は、助成対象1活動に対し30万円を助成しているが、助成対象を2活動にして助成金を1活動に対し20万円とし、推薦(応募)の促進ができないか。

 

3.「愛知県内の遊園地、公園等の脱タバコ対策に関する継続調査」については,実践内容を盛り込んでいただくことが望ましい(例えばタバコ安全教育など)。