公益公益社団法人 日本小児保健協会

各種委員会

2012年6月15日

予防接種に関する評価・検討組織に関する提言

厚生労働大臣
  小宮山 洋子 殿
予防接種推進専門協議会
委員長 岩田 敏


              参加学会: 日本小児科学会     日本小児科医会     日本小児保健協会
                     日本ウイルス学会    日本ワクチン学会    日本感染症学会
                     日本保育園保健協議会 日本産科婦人科学会  日本細菌学会
                     日本呼吸器学会     日本環境感染学会   日本渡航医学会
                     日本耳鼻咽喉科学会  日本プライマリ・ケア連合学会 (順不同)
 

 予防接種推進専門協議会(以下、協議会)は、予防接種が国家の感染症対策の基本のひとつであり、21世紀医学の核と考えている。そうした理念の下、協議会は、予防接種事業に関する事項が医学的・科学的に議論できる公的な組織の設立を当局に対して要望してきたところである。今回、厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会(以下、部会)の中で議論が進められている予防接種に関する評価・検討組織について、これまでに検討されている案の内容および諸外国の状況を踏まえて、下記のとおり提言する。

  1. 予防接種施策は、科学的根拠に基づいて行われるべきである。

  2. 予防接種に関する評価・検討組織の目的は、日本国内におけるワクチンで予防できる疾患(Vaccine Preventable Diseases ; VPD)の予防と制御、及び予防接種の安全性の確保・保証を行うことである。

  3. 予防接種に関する評価・検討組織の役割は、予防接種施策全般について、中長期的な視点に立ち、国内外の予防接種の状況及び疾病の流行状況を分析した上で、医学的・科学的な根拠に基づいて、定期的・継続的に客観的な評価・検討を行い、厚生労働大臣に提言することである。

  4. 予防接種に関する評価・検討組織で決定され、提言された内容について、厚生労働大臣はこれを最大限尊重し、可及的速やかに実行できるよう努力しなければならない。

  5. 予防接種に関する評価・検討組織の議決権を持つ構成員として、小児科医、内科医、感染症専門家、疫学専門家、公衆衛生専門家、医療関係団体、地方自治体、経済学者、法律家、メディアが案として挙げられている。この組織において最も重要なことは、医学的・科学的な根拠に基づく評価であるので、構成員の中には医療関係者として、小児科医、産婦人科医、内科医、家庭医・総合医、感染症専門家、疫学専門家、公衆衛生専門家、医療関係団体のほか、予防接種関連学会で構成されている協議会の代表者等を加えるべきである。なお、政府関係機関の代表、ワクチンの製造販売業者や卸売販売業者、被接種者の立場を代表する者、メディア関係者などは、発言及び提案はできるが議決には加われない参考人として参加するべきである。

  6. 原則として予防接種に関する評価・検討組織における審議は公開とし、一般の傍聴者にも発言の機会が与えられることが望ましい。

  7. 予防接種に関する評価・検討組織における医学的・科学的な審議をサポートするために、現在の予防接種部会の下に置かれている小委員会の役割を果たす組織(部会で検討されている案の中では専門委員会)の設置は不可欠である。この委員会は、それぞれの委員会の持つ特殊性に応じて、各分野の専門家を幅広く配置し、科学的かつ効率的に事案の検討を行う。

以上